読んだ論文からシリーズ📖
読んだ論文からシリーズです✏️
今回は、G.Greenstein先生が1981年に発表された論文です📖
前回に引き続き『レントゲンにおける歯槽硬線の有無』と『歯周病の進行度の判定』との相関性を調べた横断研究(クロスセクショナルスタディー)です。
通常法のデンタルX線写真とバイトウィングX線写真での歯槽硬線の有無と、臨床的パラメーターとの相関性を調べたところ、どちらもどのパラメーターとも相関性がなかったという結果が出ていました。
私は自分の臨床実感として、歯周病が完全に治癒して安定した指標として、歯槽硬線の存在を信じています。
(歯周病における歯槽硬線の診断はあくまで補助的で、BOPやPPDの方が指標としては重要であるという認識ですが・・・)
その私の臨床実感とは、異なる結果が出ていました。
この論文で疑問に思った点は、この論文で用いられている歯槽硬線の有無の例です。
「歯槽硬線が有る」とされているX線写真は、歯槽骨の骨梁が多い患者のレントゲンでした。
「歯槽硬線が無い」とされているX線写真は、歯槽骨の骨梁が少ない患者のレントゲンでした。
時代の背景もありますが、今現在の歯科臨床の知見からすると例に挙げてある写真は少し微妙な気がします。
臨床パラメーターの有無のカウントにも、疑問点がありました。
この論文が発表されたのが1981年。
このあと、1986年にLung先生が歯周病の進行度の指標としてのBOPの重要性などについて論文が出てきます。
この時代には、歯周病の進行度の指標を探している時代で、歯周病の進行度と色々なパラメーターとの相関性について調べた論文が多く出てきます。
この歯周病に関する時代背景を掴んでおくことが大事なのではないかと思います。
引き続き、指標についての論文についても読み進めていきたいと思います☝️